審美性と機能性に最大限配慮した
高坂デンタルオフィスの歯科治療例を紹介します。
患者さんは歯ブラシも丁寧で、お年の割に虫歯の経験はとても少ないです。日頃から顎の疲労感は自覚していたものの仕事の疲れと関連しているものと思い、改善できる問題とは考えていなかったそうです。
下前歯の並びが多少ねじれてますが、全体的に綺麗な歯並びと言えるでしょう(資料1〜3)。ただしかみ合わせをよくチェックすると、顎関節に対して負担を与えやすい決定的な接触が奥歯にありました(資料4〜7)。
黄丸の中の青いマークが、歯軋りを邪魔して筋肉の疲労の蓄積を激増させる極めて不良な歯の接触部位です。
噛み癖は左だそうですが、右で食物をの噛みにくい理由は、資料5の黄丸 a の接触があることが最大の原因でしょう。左右の筋肉バランスが崩れを他の筋肉が補おうとして、結果的に首方周囲の筋肉にまで余分な疲労が蓄積しているということが想像できます。
調整後の記録が資料8〜11です。筋肉の疲労が溜まりにくくなるように青くマークされていた不良な接触を削除しました(黄丸)。それだけではなく、さらに噛みやすくなるように、上下の奥歯ができる限り点で接触するように、精密な調整を行いました。
調整前の咀嚼運動の顎の動きです。資料12において、緑のラインが右咀嚼ですが、右から左に円を描くような動きを示します。青のラインが左咀嚼です。左右の咀嚼運動の動きを重ねると、極端にハの字に広がっている運動ラインだということがわかります。
資料12 調整前の顎の動き
かみ合わせの調整で顎がスムーズに動くようになりました。それまでの右咀嚼(緑ライン)は円を描くような動きでしたが、資料13を見ると明らかに縦に噛む動きに変化しています。機能が改善したと言えるでしょう。左咀嚼の動き(青ライン)もほぼ対称的な動きになりました。
資料13 調整後の顎の動き
この方は比較的まとまるのが早く、治療時間は通常よりも短くてすみました。
歯科医師 高坂 昌太