右上側切歯をコンポジットレジン(CR)で保険治療したケース
30代 / 女性
2025年1月症例
【主な症状】
詰め物の変色が気になる


診査診断
患者さんは30代女性、上顎側切歯の詰め物の変色を大変気にしていらっしゃいました(写真1、2)。
むし歯はごく表面にのみ、特別に難しい治療にはならなさそうです。
治療経過
ステップ1 コンポジットレジン充填

コンポジットレジン充填です。歯を削る量も比較的少なく難易度も高くなかったので、保険診療でも色調もマッチして、エナメル質特有の艶を再現できました。

CR治療について
今は保険診療でも美しいCR治療が可能になりました。もしも20年前に今と同じ結果を出そうとしたら、当時の歯科医師は相当な手間をかけなければなりません。歯の内部構造の特徴(下の図)に合わせて深部、中間部、浅層部、表面と、最低でも4〜5種類のレジンをいくつも重ね盛りして色と形を表現してます。特殊な材料と多くの手間がかかるため自由診療にならざるを得ませんでした。
しかし歯科材料も日々進化しており、特にコンポジットレジンの品質は20年前と比べたら格段に向上しています。すべてのケースとまではいきませんが、保険診療でも以前よりも美しく仕上げることが可能になりました。

以前の修復は内部から表層にかけて、実際の歯の構造を再現するかのようにコンポジットレジンを重ね盛りしていました。保険診療では限界があり、必然的に自由診療扱いでした。
※保険では対応できないケースもございます。(自費のケースはこちら)
※この患者さんは前歯の審美障害について、ずっと前から深く悩んでたようです。以前通っていた歯医者さんに相談しなかったのかを尋ねると、悩みを打ち明けられる雰囲気ではなかったそうです。私も患者さんに対して普段そのような遠慮をさせてはいないか?自分も気をつけなければと思った臨床の一幕でした。
治療概要
治療費
【CR修復】
保険治療*
*3割負担の方でおよそ1,200円前後となります。
※費用は歯・口腔内の状態によってことなります。
リスク・副作用
・むし歯を削ること自体が神経に対して刺激となります。
・神経のある歯の治療は麻酔が覚めてからしばらくしみやすくなる場合もありますが、通常は数日で気にならなくなります。
・むし歯が深く神経に近いところを削った場合、知覚過敏症も落ち着きにくい場合があります。
・歯軋りで擦れる部分の修復は、短期間で形が変化する可能性があります。
・すべての治療において、その後の経過反応には個人差がございます。
・コンポジットレジン(CR)は歯科用のプラスチックです。基本的には樹脂でできていますので、時間と共に水分を吸収するためるため変色や劣化は免れません。
治療担当
歯科医師 高坂昌太