症例紹介

審美性と機能性に最大限配慮した
高坂デンタルオフィスの歯科治療例を紹介します。

セラミックスで治療した審美症例

自由診療
40代 / 女性
2009年11月症例(高坂デンタルオフィス開業前の症例です)

初見

患者さんは40代女性、前歯の見た目を気にして来院されました。歳とともに先端が削れて、色もどんどん暗く変色している実感があるとのことです。

これらから皆様にご覧いただくのは、「審美歯科治療」の症例となります。

Progress
治療経過

Step 1所見観察

左上2番の脱落による審美障害を主訴に来院された患者さんです。

一見、むし歯で折れたのかと思いますが、上下前歯の噛み合わせの関係が大きく関与していた可能性があります。

奥歯で噛んだ時、下の前歯が上の前歯にほぼ隠れて見えなくなってしまいます。日常から前歯に負担がかかりやすい特徴を背負った噛み合わせです。夜間の歯軋りが関係してか、下前歯の切端も斜めにすり減っているようにも見えます。上下の前歯が常に不要な力にさらされていることは間違いありません。

修復治療をしても人工物がいつ外れてしまうか、不安が付きまといます。

Step 2治療方針

外れてはいませんが、他の3本のセラミックスクラウンも健全とはいえない状況です。すでに古く劣化も進んでいた状態でしたので、上顎前歯は4本まとめて修復することになりました。

Step 3レントゲン

外れた歯のレントゲン写真です。クラウンを被せるためには、根管治療をして土台を建てなければなりません。神経をとることになるので、大変に残念な犠牲を伴います。

Step 4自然な仕上がりをご提案

どなたでもそうですが、新しくセラミックスクラウンを被せる時は、より白く美しい仕上がりを望みます。ところがこの方の天然歯の色調はA-4系統に近く、かなり暗いタイプでした。修復物だけ白くしても、お口の中では浮き上がって逆に不自然な印象を与えてしまいます。

新しいセラミックスクラウンの白さがより自然に見えるように、天然の前歯にはホワイトニングを提案いたしました。

Step 5ホワイトニング

ホワイトニングにも限界はありますが、目につく部分はA-4系統からははるかに明るくなりました。

Step 6仮歯をセット

左上2番には土台を建てて、修復予定の4本に仮歯をセットしたところです。
人工物が歯肉にダメージを与えていないかを確認します。歯肉が赤く変色したり腫れが残っているような時期に、精密な型採りはできません。歯肉のコンディションを整えるための仮歯でもあるのです。

Step 7型採りの準備

型採り直前の様子です。歯肉も綺麗で、わずかな問題もなさそうです。

Step 8仕上げ削り

型取り直前に仕上げ削りをいたしますが、決して器具で歯肉を傷つけてはなりません。少しでも血が滲んでいるとそれだけで精度の高い型採りが不可能となるのです。生きた細胞である歯肉は非常にデリケートです。被せ物の治療をするときこそ、細心の注意が必要です。

Step 9型採り

出血した状態で処置を進めると、血液によって最も大事なマージン(境目)が隠れてしまいます。歯肉にダメージを与えていないからこそ、初めて精密な型採りが可能になります。 セラミックスクラウンをより美しく見せるためには、セラミックスクラウンを歯肉の中から立ち上げなければなりません。歯を削るときは歯肉を傷つけないようにするための注意も必要ですし、型採りにはより高度なのテクニックが求められます。

Step 10セットの準備

歯科医師が綺麗に型採りをすれば、技工士さんは精密な作業をしてくれます。セット時の模様ですが、歯肉に炎症はほとんど生じていません。炎症が残っているということは出血しやすいということです。その状態で修復物のセットに臨めば、セメントに血液が混じる可能性があるのです。セメントに余計なものが混ざれば、当然接着力に影響します。

被せ物の治療をするときでも、終始歯肉のコンディションには目を光らせてなくてはなりません。そのためには、やがては処分される仮歯の精度も高めなければならないのです。

Step 11セラミックスクラウンをセット

セット直後の写真です。犬歯をホワイトニングしたことで新しいセラミックスクラウンもより白い色調で作ることができました。口元全体が明るくなった様子が明らかです。

どこから見ても歯肉には赤みや腫れ、炎症初見は全くありません。歯肉が赤紫色に腫れたままですと、歯がいくら白くて綺麗でも、口元が表現する印象には違和感が強く残ります。 技工士さんがいつも努力してくれるおかげで、私もほぼ納得できる仕上がりです。患者さんも大変満足してくださったことが何よりでした。

Step 12メンテナンス

以下の写真はセット後10年の状況です。
歯肉に炎症自体は全く生じていませんが、経年的に退縮しています。
セラミックスの艶も無くなっており、経年的な劣化は否めません。

  • セラミックスはセットしたらそれっきりではありません。今が美しくても、それを長持ちさせるためのチェックとメンテナンスは必要不可欠なのです。仮に「審美歯科」というカテゴリーの治療だとしても、噛み合わせや咀嚼器官の基本を十分に理解して、審美領域の治療にも当てはめる必要はあるはずです。後の問題を予想、回避するためのアイディアを惜しんではならないと考えています。
Overview
治療概要

治療費用

オフィスホワイトニング
16,500×3回=49,500
テンポラリークラウン(6本分)
5,500×6=33,000
印象採得
11,000
セラミックスクラウン(6本分)
176,000 ×6=1,056,000
自費治療費合計
1,149,500
※治療費は全て税込の価格となっております。
※費用は歯・口腔内の状態によってことなります。

治療担当

歯科医師 高坂 昌太

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